オリーブ設計 スタッフブログ

2024.04.24

掘る!

Yohei.N

こんにちは!
今回は「掘る」というテーマで雑記したいと思います。

まず最初の「掘る」は地盤調査です。
小高い山の上に建物を建てる計画のため、先日地盤調査を行いました。今回の調査は山の上ということで、建物を建てるための調査と共に、地盤が崩落しないための措置を検討するための調査を兼ねたものです。


地盤の調査はこのように三角形で櫓(やぐら)を組んだ比較的小さな機械で調査を行います。

調査で打ち込む管は一般的には直径66ミリの鋼管です。

こんなに細くて大丈夫かなと思ってしまうほどの細い管を地中数十メートルまで打ち込んでいきます。

数メートルごとに試料を採取し、土の質の違いで土質を調査します。とても地道な作業ですが、建物を建てるためには最初に必要な調査なのです。この櫓(やぐら)が立っているところをみると、建物の計画が始まるのかなと思う目印でもあります。

さて、次の「掘る」は杭打ちです。
こちらは工事の施工の段階です。写真は去年竣工した商業ビルの杭打ちの際のものです。

地質調査の66ミリの鋼管とは比べものにならない大きさですよね。この現場は場所打ち杭といって杭の太さが1メートルくらいあるものだったので、穴を掘るドリルも同等の大きさになります。先端のドリルは硬い地盤も掘れるようにとモグラの手のようです!大型の重機を使って杭の長さまで掘り進めていきます。

最後の「掘る」はかなりスケールアップします!

これは何を「掘る」ためのものかわかりますか??


これです!そう、地下鉄のトンネルです!実際に名古屋市営地下鉄を掘った時に使用したものとのことで、赤池駅の近くにある「レトロでんしゃ館」にモニュメントとして展示されていました。なつかしの初代黄電も展示されていました。


実際に近くでみるとかなりの迫力で、先端の刃も杭打ちドリルの比ではありません。「掘る」といっても地盤調査や杭打ちとは違って水平に掘っていくので、使う重機も施工方法も全く違うのでしょうね。リニアの工事が進められていますが、ほとんどがトンネル区間だとか。こんな大型のドリルで少しずつ堀進めていくと思うと気が遠くなるような工事ですね…。

地面を「掘る」三つをご紹介しましたが、掘るものが違うだけでこんなにも使う機械の大きさが違うのですね。空間にものを造るという地上面の工事にと違い、地面を「掘る」という工事は目に見えない部分のため、やって見ないとわからない工事です。そのため、地業と呼ばれる地中の工事には多くの費用と工期が掛かるのも納得です。

ちなみに、写真のレトロ電車は昔の地下鉄東山線ですが、私の生まれ育った地域にある終点の藤が丘駅はなぜか地下鉄なのに地上の駅です。子どものころは何の疑問も感じませんでした。当初は藤が丘まで地下鉄を延ばす計画は無く、急遽延長が決まった際に費用面で高架区画になったのだとか。