春の卒業シーズンを迎え、私にとってかけがえのない恩師が引退を迎えました。本日は大学編です。
私は大学4年を迎えて、卒業研究に携わる研究室の選択をしなくてはなりませんでした。卒業後の就職先として建築設計事務所を考えるようになっていた私にとっては「建築設計の研究室」 がセオリーです。
しかし私は、その選択をあえて避けました。なぜなら、就職後に嫌というほど設計には携われるだろうし、その時にできない研究こそ学生時代にしたかったからです。その結論として 『色彩の研究室』 を選択。多岐に渡る建築の分野で『色』の勉強です。その専門家が恩師である稲垣先生です。
研究室で無事に?1年間を過ごし何とか卒業。あれから24年、先生が定年をお迎えになり、大学での最終講義にお招きいただきました。再会できた稲垣先生、トレードマークであるワンレングスボブ&ソバージュヘアーもご健在!
先生のこれまでの研究を振り返る部分では、壇上のスクリーンに私が在籍当時、街の色彩検討に造った模型やその実験方法も映し出され、名指しでその労をねぎらって頂き感激しました。
最終講義は先生の自伝的な内容で、なぜ建築の色彩を研究することになったのか、なぜ自慢のヘアースタイルが確立されたのか、とても楽しいアットホームな講義でした(笑)
最終講義やパーティであらためて稲垣先生の人柄にふれて、研究ができたこと以上にこの先生に出会えてよかった、だからこの学び舎でよかったと心から思いながら帰途につきました。
研究室では、どんな色彩が街並みに優しいか、景観上で好ましいか、研究に携わった私です。しかし、卒業後に世に送り出した建築は…
色彩的に華やかすぎる建築物が多い(笑)
稲垣研究室の門下生で一番の親不孝を自認した私でした。