オリーブ設計 スタッフブログ

2015.10.16

結局のところ最後は

Naruki.M

横浜市のマンションで杭の一部が強固な地盤に届いておらず、建物が傾いてきたというニュースが流れました。うっかりミス?それともデータ改ざん?どちらにしてもお住まいの方々にとっては生活を脅かす大問題です。

ちょうど弊社が設計監理を行うビルも杭打ち工事の真っ只中!この敷地には既存建物が目一杯建ち、新しいビルの工事着工までご使用中。よってその地での地質調査が不可能。

このようなケースの場合は、杭や基礎の設計は【近隣のボーリング調査】の調査結果を参考にするしかありません。そして既存建物の解体後に、すみやかに【現地のボーリング調査】を行います。

地盤の固さ、土質などについて【近隣のボーリング調査】と【現地のボーリング調査】の調査結果を検証した結果、すべてが合致!設計した杭で間違いなく施工できることを確認できました。


さらに念には念を…実際に【1本目の杭の土】を採取し、深さにより番号を振って土を並べます。サンプルケースに入った同じ深さの【現地のボーリング調査の土】と比較します。その結果は両方が合致しました!このように何度も照合しながら間違いのない杭工事を行います!

新しい建物は、敷地に目一杯に建てるため地盤の中で杭を造る方法『場所打ちコンクリート杭』を採用。その杭の鉄筋も検査します。鉄筋の長さ、太さ、間隔など、いつもながら構造設計者の細かなチェックが入ります。


これですべて合格です!弊社の構造担当者は作業着を装着、いつも気合十分の検査が嬉しい!

建築というものはその場所の地盤によって杭や基礎の方法が異なります。このプロセスを無視すると横浜市のニュースのような大問題につながります。大手の建設会社であったり、建材メーカーであっても最後は人の手によるのが建築の怖さです。私たち設計事務所も同じです、最後は『人』です!

≪追伸≫
愛する我が車、ニュービートル。アメリカで発覚したその製造会社の規制逃れの排気ガス不正問題。
我が車はディーゼルではないが…世界的な大会社でも最後は『人』だということを再認識させられました。我が車は友人のところで仕立てた古い車ながら、フォルクスワーゲンのディーラーさんはいつも誠実にメンテナンスしてくれているのに。

私の2015年05月15日のブログが悲しい。
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