オリーブ設計 スタッフブログ

2014.10.17

新設の道路は電柱禁止?

Naruki.M

前回に引き続き、景観の話題を。議員立法で、新しく造る道路では、電柱や電線の設置を原則禁じる法案が、まとまったようです。都市の景観を損なったり、地震で倒れて通行の妨げになったりすることを防ぐことが目的です。

さて、子供の時に住んでいた家は2階を増築。瓦屋根の上に下駄をはいた『物干し台』が出現!(バルコニー、ベランダなどハイカラなものではない・笑)見渡す景色が嬉しくて、そこで絵を描きました。遠くの鉄橋、堤防の土手、そして自宅周辺は平屋が多い奥行きのある景色を、覚えたての水彩画で描き、満足のいく絵が完成しました。

さらに調子に乗った少年は、電柱、そして電線を1本、1本、丁寧に描いていき…まだ細い筆を使いこなす技術なんてありません。気がつけば大きなクモの巣か、はたまた檻の中?せっかくの絵が台無しになってしまったのです。気にならなかった電線がこんなに多いなんて!

私はその時、二つの言葉を学びました。『蛇足』そして『美観』。私が今の住まいや事務所ビルを気に入っている理由として道路に電柱が無いことは大きな要素。美観を大切にする国々ヨーロッパなどでは、地方や島に行っても電柱や電線が目立ちません。

さて、私が建築設計を始めた頃になりますが、計画した店舗の前面に既存の電柱がありました。これでは手塩にかけたデザインが台無しです。電力会社と交渉したところ、店舗の間口が大きく、技術的に前面道路のどこかに電柱が必要とのこと。諦めの悪い私の矛先は、電力会社の技術者に対し、これまでの日本の電力供給が電線を、埋設式にしてこなかった功罪に発展(なんて生意気な若造・笑)。

しかし、技術者から「そのお陰で、日本は短期間に高度成長を遂げたのですよ!」と反論される始末。そんなこと考えもしなかった…そのとおり、御意(笑)

この度の法案、国会に提出されて順調に進めば、来年4月に施行されるもようです。ぜひとも実現にこぎつけてほしい…将来の子供たちが、電線のない素敵な風景画を描けますように!