国の原子力規制委員会が、全国の16ヵ所の原子力発電所(以降、原発と表記)の『放射能拡散予測』を公表しました。事故が発生した場合、大きな被害を被る可能性のある30km圏内を記した地図が新聞に大きく掲載されました。
全国16原発30km圏…これを見てゾッとします。日本全土を見渡してみてもけっこう広範囲ですし、東海道の交通の大動脈もその圏内に入っています。学生のころオートバイで、小さな島々を除く日本全土の海岸線を旅しましたが、こんなに危険と背中合わせの地域が多かったとは…どこも風光明媚なところです。
生まれてからこれまで、突発的な停電を経験したのは、子供のころの台風の時ぐらい。安定した電力のお陰で便利な生活を『させてもらった』のですね。現在の仕事で見渡しても、便利と引き換えのリスクが隣合わせのものが多く存在します。
例えば、移動の手段として利用する交通機関。旅客機は落下する可能性がゼロとは言えません。時速300kmの新幹線も置石があれば脱線します。自動車の運転もハンドル操作で一瞬にして事故。文明の利器に囲まれても、なんとリスキーでしょうか。
それでも人間は、よりよい生活のための発明の進化を止められないし、これからも進化するべきだと思う。文明の利器とはいえ人間が生み出した『人災』と、それをあざ笑うかのような『天災』は必ずやってくる。それは、人類が生まれてから変わらぬ原則だと思う。この地球上には100%安全なものは何ひとつない!ただし、その安全の確率を上げることはできる!
それこそが文明の進化だと私は思う。