東京2020の影響もあって、最近全国でホテルの建設ラッシュが続いています。
ある港町の海辺に気になるホテルを見つけました。客室のベランダの数を見ても相当大きなホテルです。
実はこれは旅客船。移動式のホテルですね。実際に建っているリゾートホテルなんかと見間違うほどのスケール感です。この船は定員が約4000人の大型客船でした。
ちょっと興味が湧いたので客船について設計者という観点から調べてみました。
客船は浮体構造物というらしく、3ヶ月以上場所に停泊していなければ建築物にはならなのです。(逆を言うと3か月以上同じ場所に停泊してしまうと建築物になってしまう!)
船舶と建築物とでは、設計の考え方が全く異なります。その中で一つあげると避難の考え方。船舶は沈むことが最も大きな問題なので、「人を船の上に逃がすような動線設計」という考え方が必要。一方、建築物の場合は「建物の地上へ人を逃がすような動線設計」をします。
見た目や使用用途は同じでも根本的な考え方の違いがあるんですね。
豪華客船に乗ったことはないので、いつか乗ってみたいものです。
ちなみに東京には陸地に接して水辺に浮かぶレストランがあるそうです。それも一見するとふつうの建物に見えるのですが、建物の基礎にあたる部分が船になっています。
そこは常時同じ場所にあるため、船舶と建築の両方の法律を満たす必要があるのだとか。基礎の台船部分は船舶安全法で上部レストラン部分は建築基準法。複雑そうですね…
まだまだ調べてみたくなりましたが、本業に支障が出そうなので、このくらいにしておきます。