オリーブ設計 スタッフブログ

2019.03.15

分割 と 合併

Naruki.M

私たちは期待してくださる建築というモノ創りの『仕事』があればどこへでも行きます。今週も関西へ…今日は北陸へ列車で移動しました。来月からは九州にも通います。(姫路駅はオーナー様とワインを飲みすぎて写真がブレてます・笑)

平成もあと1ヵ月半、この30年の列車の旅で不便を感じることが増えました。新しい新幹線が開通すると並行する在来線は第3セクター化、『特急列車が走らない街』が増えてしまったのです。今日も金沢駅から先、以前は特急で快適に直通できたところが各駅停車で往復2時間!学生たちにもみくちゃにされ…重い荷物を持って乗り換え…そして会社が変わったため、切符も名古屋駅から通しで買えない、乗り換えるごとに車内精算しなくてはならない!

JRは新幹線を通す引き換えに、儲からない在来線を切り捨て。これは全国各地で新幹線が開通する度に起こっています。そもそも平成になる少し前、国鉄は赤字解消の切り札として【分割民営化】という6地域と貨物会社に経営を分けました。その結果…安定しているのは、首都・東京をもつ『JR東日本』、第2の都市・大阪をもつ『JR西日本』、そして東京~大阪の大動脈・東海道新幹線をもつ『JR東海』のみ!

過疎地を抱える「JR北海道」「JR四国」の収益が減少することは予想できたはず。JR北海道のほとんどが赤字路線。廃線を繰り返し、整備の予算も少ないからか事故が多発しています。先月のニュースによると、JR四国も20線区のうち19線区が赤字路線! それに引き換えJR東海は借入とはいえ単独で9兆円かけ中央新幹線(リニア)を建設できるほど体力がある!

結局、国鉄の【分割民営化】は『勝ち組』と「負け組」を作ってしまっただけではないのか?

そして平成が終わりを告げるなかで旅をして感じること。それは馴染みのあった市町村の名前が変わってしまったこと。行政能力や効率性の向上を求めて推進された【市町村合併】いわゆる平成の大合併! へき地の山深いところが有名な〇〇市とか…広大すぎて個性を感じなくなった市町村…合併により誕生した名前は、その土地のルーツや歴史に関係ないものや、ひらがな名やキラキラネームっぽいものも。学生時代にオートバイに寝袋を積んで全国津々浦々をめぐったころに感じた、土地の名前からくる風情がなくなってしまいました。

旅の疲れか少し理屈っぽい話になってしまいましたが、細かなサービスをするための【分割】、大きなサービスをするための【合併】。どれも正解がないかもしれませんが、『この国のどの地域に住んでいても、国民のひとりとして住みやすさを享受する権利がある』かと思います。その方法論はすぐには見つからないかもしれませんが、それに近づけようとする改革は今後も必要ですね。

目的地に降り立つと立山連峰が。この景色に育まれた街が本当に素敵!

 

さて本日の、北陸出張のローカル線の車内、私を呼ぶ声が…「森本、森本~」 誰が呼んでいる? 「次は森本」あ~次は森本駅なのか(笑) あっ思い出した! 20年前の私が妻に送ったプロポーズ…妻の旧姓がついている駅→森本駅までの『片道切符』を渡したっけ(妻はどこにしまったのだろう?) 建築では雄弁になる私も意外とシャイで(汗) でもこの路線はもうJRじゃなく第3セクター。JRの駅で尋ねてみると…やはり今では通し切符は買えない! まさに今ではプラチナチケットとなった訳です。

妻の旧姓は森本に【合併】しましたが
【分割】されないようにしなきゃ!