昨日、仕事の電話をかけると話し中の方々が続出。時間を置いてもかけ直してこない。「皆、忙しいなぁ…」と思いましたが、こちらから何度かけ直しても話し中。これはおかしい…
実はご存じのように、全国で携帯電話の通信障害が発生していたのです。通信事業者、大手3社のうちの1社に限ったことですが、全携帯電話利用者のおよそ1/4の人々が利用しているようです。ざっと30万人以上に不便が生じた計算になります。
人と連絡がとれない、仕事ができない、救急車を呼べない、あるコンサートではスマホでの入場確認ができないなど、報道されている以上に困った方々も多いようです。日中に起こった4時間ほどの通信障害は、携帯電話の便利さを痛感するとともに、またモロさも露呈することになりました。
技術に完璧はないということです。
完璧がないから私が常々思っていること。それはボタンひとつで世界中をパニックに陥れる技術も生まれるということ。莫大な費用をかけず、そして若者であってもパソコンのクリックひとつで。つまり、ハッカーが世界中のネットワーク、サーバーなどすべてを破壊して世界をダウンさせる、そんなことが可能になるかもしれません。
膨大な情報ストックが消去されてしまう、銀行貯金や資産のデータも…
技術は善にも、悪にも利用できるということです。
しかし、技術は失敗も重ねながら悪と戦い、進歩していかなくてはなりません。今、放映中のドラマ『下町ロケット』。3年前に放映されたシリーズで、過去の失敗を責められた主演の阿部寛さんが訴えた言葉が忘れられません。
「技術は人を支える、人間社会を豊かにする、人を幸せにする、これこそが技術の本当の力なのではないでしょうか!」
この度の通信障害、その通信会社に総務省から「重大な事故」として行政指導の方針を固めたようですが、そうした縛りが技術の進歩を止めないようにしたいものです。悪ではなく、善のための技術なのですから。