世界の国における男女平等の順位、日本は105位!(先進国なのにそんなに低いの?)この順位は、世界経済フォーラムという国際団体が毎年まとめている『世界男女格差報告』によるものです。経済、政治、教育、健康において判定されます。
ちなみに男女平等の評価が高い国は1位から、アイスランド、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンと北欧勢が上位を占めています。そんな順位の低い日本でも、私が社会人になってから女性が活躍する割合がとても増えた思うのですが…
まず変わったなぁと思うのは鉄道マン。新幹線の車内検札係は、男性ばかりだったのですが、昨今では、女性がやって来ますね。いつも面倒だと思う切符の提示も、ついつい率先して差し出す私です(笑)
東京や大阪で乗り継ぐ電車では、女性車掌のみならず女性運転手も多く見受けられるようになりましたね。私たちが子供の頃は、鉄道マンって男の職業でした。(もう「鉄道マン」という表現も過去のものです)
反対に女性の活躍の場が極端に少ないと思うのが、私たちの建設業界。この仕事に就いて長い間、建築現場で監理をしていますが女性監督に出会ったのはたった一人!偶然にも同じ大学の同窓生!約20年ぶりの再会でした。(大学の建築の同期生は女性の割合が1割未満でした)
現場監督は、勤務時間も長くならざるをえない職務なので、女性がその中で活躍するのは家庭との両立が大変だろうと、彼女の苗字が昔のままだったのは、その証拠かも?
弊社でも女性スタッフが、長続きできないそれぞれの事情がありました。
女性スタッフがご懐妊。それが判ったのは、彼女が急にひどい体調不良になってしまったからなのです。彼女にとって待望の赤ちゃん。彼女の身体を第一に考えること、出産後は育児に専念したいこともふまえて彼女と協議した結果、残念ながら退社する結論に至りました。無事に出産後、大きな男の赤ちゃんを連れて事務所に遊びに来てくれたときの彼女は、幸せに満ち溢れていました!駅で二人の後姿を見送ると「これでよかったんだぁ」とも。
また、義父が大きな病気にかかり、その看病で余儀なく退社することになった女性スタッフも忘れることができません。その報告の時に涙を流していたことが印象深く「親族のなかで女性だからという理由だけで自分が…」手掛けていた住宅の設計もありましたので無念だったかと。その彼女、看病を立派に務めるかたわら国家試験の勉強を。学科試験を見事にパスし看病もやりとげました。ご主人の都合で遠方へ引っ越してしまいましたが、家事と仕事を両立しながら実技試験もパス!一級建築士の合格の報告をメールでもらったときは、自分のことのように嬉しかった!あの時の涙を思うと…
弊社を設立する前に私は2社の設計事務所に勤めましたが、偶然にも上司が同じことを女性スタッフに言っていました。「一人前になりたいのなら結婚をあきらめなさい」(こんなこと書くと余計に業界は女性に嫌われる)
馬力のある男性に偏重をおいてしまうこの私たちの業界ですが、建築デザインをすること、特に住まいを創っていく上では、女性の感性は必要不可欠!そんな理想と現実の狭間で戦っていますが、世界に負けないよう弊社も女性スタッフの割合をアップしたい!それによって男性スタッフの頑張りもアップするだろう(笑)