トイレの温水洗浄便座『ウォシュレット』に、このほど日本機械学会より『機械遺産』の称号が与えられました。『ウォシュレット』は洗浄便座の代名詞になっているほどですが、これはメーカーの『TOTO』の商品名です。
業界では周知のことですが、洗浄便座で先行したのはライバル社の「INAX(現リクシル)」が昭和42年に商品化しています。これが国産第1号。
対して『TOTO』は、アメリカンビデ社から医療・福祉用に開発された商品を昭和39年より輸入販売していたものの、ライバル社から遅れること2年、昭和44年に自社で商品化されました。
しかし、両社どちらの商品も価格も高く、温水の温度が安定しないために売れ行きはさほどだったようです。
ところが!『TOTO』は社員のお尻『あの位置』を調査。その数値をデータ化するなど、たゆまぬ努力を続け新しく商品化、『ウォシュレット』を完成させます。昭和55年のことです。『機械遺産』の称号はこの商品に与えられたのです。
当時のコマーシャルは今でもよ~く覚えています。『おしりだって洗ってほしい』そのキャッチコピーと戸川純さん。商品名もライバル社の「シャワートイレ」よりも『ウォシュレット』(洗うという意味の『ウォッシュ』と『トイレット』の造語)というネーミングのほうがインパクトがありましたね。
しかし、一番の勝因は『あの位置』の調査ではないでしょうか。きっとその調査は女性社員にはセクハラだったことでしょう。それを乗り越えての成果は日本のみならず世界にも誇れています。その功績がこのたびの『機械遺産』の称号につながったのですね!(はたして『あの位置』は世界人類みな共通なのだろうか・笑)
本日のブログは『TOTO』さんを褒めすぎましたかね?設計事務所である限り、その職務に公平でなくてはなりませんが、実は弊社のスタッフはみな現時点では「INAX」派なのです。対応やチームワークが特によいため、計画~設計~工事まで一連の業務がスムーズなのです。
オーナー様のさまざまな要望に応えるため、ベテランの担当者にもついつい無理難題をお願いしてしまいますが、いつも根気よく対応してくださいます。前任の担当の女性も一生懸命さがヒシヒシと伝わってくる方で、機器の選定に時間がない時に本当に助かりました。そしてショールームの担当の女性はいつも指名しています。その女性は親切なのはもちろんのこと、素人であるオーナー様にいつも熱意をもって判りやすくプレゼンをしてくださいます。お連れしたオーナー様がみな、その人柄を褒めて帰ってゆきます。またメーカー主催の定期的なセミナーも魅力的です。それは自社の商品説明の枠を越えた面白い内容ですので、弊社のスタッフが同じセミナーに2度参加したほどです。
今度は「INAX」さんを褒めすぎました。設計事務所である限り、その職務に公平でなくてはなりませんが…衛生機器のデザインや機能は『TOTO』さんが好きかな(笑)?
このたびの機械遺産を『TOTO』さん、おめでとう!残念だったけど「INAX」さんも応援してるから!