最近、事務所に訪れる方々の服装がノーネクタイで涼しげになってきました。今年は例年にも増して多くの企業が『クール・ビズ』を導入していますね。ちなみにその語源は「涼しい」や「格好いい」という意味の『クール』と、仕事や職業の意味を表すビジネスの短縮形『ビズ』をあわせた造語ですね。
弊社の場合は設立以来『クール&ウォーム・ビズ』を導入しています。働きやすい服装と、また冷暖房機器の稼働も抑えることによって健康への配慮と省エネルギー(いわゆる経費圧縮!)を目的としております。
社会人になった頃、その会社には常時スーツ着用の規則がありました。現場を走り回るたびペンキがベチャ! コーキングがベトッ! 鉄骨に引っ掛けてビリッ! スーツを何着を廃棄処分したことでしょう。(皮靴もそうです)
やはり現場監理は動きやすい服装が好ましく合理的です。とは言うもののオーナー様との現場場会議もありますので、あまりもラフでフランクすぎる服装も…
そこで便利なのがネクタイです!
例えば、ジーンズを履いていてもネクタイを締めていれば、そこそこの格好がつきます。そもそもネクタイは汗をぬぐうものでもなく、食後に口元を拭くものでもなく、用途として何の利用目的もない『機能なきデザイン』ですね。ネクタイの起源もヨーロッパで始まった諸説がありますので、高温多湿なこの国には不向きかもしれません。
しかし、世界の文化として長い年月をかけて、先人の方々から引き継がれたものです。いわゆる『文化としてのデザイン』なのです。ネクタイを着用した場合に、その人が引き締まって見えるのは決して「思い込みや概念だけではない」のではないでしょうか。その感覚は「慣習が始まった昔も今も変わらない」と思います。
弊社スタッフの各ロッカーには必ずスーツ&ネクタイを常備してあります。仕事で接する相手の方々に合わせた『服装を考える』ためです。例えば、行政への交渉があるとします。ネクタイ&スーツ姿の建築士と、Tシャツやジーンズなどのラフな服装の建築士ではどちらが交渉が有利に働くでしょうか?どちらかを選ぶならば、ネクタイ&スーツ姿のほうが好感がもて、それが交渉に有利に働くと思います。文化としての礼儀を重んじることで私たちを存在を尊重してもらい、それが設計の依頼様に対しても代理者としての礼儀であると考えます。
という訳で弊社では『クール・ビズ』を導入しつつも、ネクタイ&スーツ、特にネクタイは便利に活用させてもらっています。すばらしい『文化としてのデザイン』先人たちの知恵に感服します!