オリーブ設計 スタッフブログ

2017.04.13

光の教会

Naruki.M

新聞を読んで驚きました。東京の国立新美術館で、建築家・安藤忠雄さんの展覧会が今秋に開かれることになった記事でしたが、その展示物! なんとその敷地内に、大阪府茨木市にある代表作『光の教会』 を展示物として新たに新築すると! 鉄筋コンクリート造、高さ8mの建築が展示物!

驚いた理由がもうひとつ。その教会の建築現場のドラマが書かれた本。



ちょうど、15年ぶりに読み返していたところ! なんたる偶然。

建築というモノ創りを、人々の幸せや企業の繁栄のための仕事と位置づける私にとっては、建築物という存在が趣味の対象物ではありません。そんな私が気にいっている数少ない建築物が、安藤忠雄さん設計のこの 『光の教会』

今から25年前、私が設計事務所に勤めはじめた時に、建築物が大好きな同僚がいました。彼の自宅の書棚には建築雑誌が並び、建築物の名を呼べば「○○年○月号」と瞬時に引き出せてしまうような、建築が趣味と言っても過言でないくらいの友人でした。

そんな彼と遠方の建築物めぐりをすることに。その当時の車には、ナビゲーションシステムがついていない時代です。『建築オタクの彼』 と 『地図オタクの私』 がうまくマッチングして、彼の愛車ボリーナ(カリーナがボロくてそう呼んでいた)に乗り、500kmを超える日帰りツアーを何度も決行。近畿、北陸、上信越…多くの建築を見ました。今よりも高速道路が充実していない時代です。丸一日よく走ったもんだ。若かったんだなぁ。

久しぶりにアルバムを引っ張りだしました。ありました、ありました 『光の教会』 が!



教会の椅子に腰掛ける四半世紀前の私。やっぱり若い! それを見てスタッフは爆笑。

写真のように昼と夜の2回訪れています。十字のガラスを切った壁…昼は陽射しが、夜はライトアップされた 『光』 が教会内に差し込みます。まさに 『光の教会』 でした。

そのアルバムには訪れた時の4枚の写真が、光の教会風に十字に貼り付けてあります。 なんと粋な私だったのでしょう(笑) 昨今はパソコンで写真を見ることばかり。ネガから現像した写真をスクラップする…デジタルカメラのない時代の面白さです。

ナビも、高速道路も、デジカメも、お金も無かったけれど、今になるとその不便さが楽しい時代でした。そして若かったし(笑)

アルバムの次のページには、25年前に大阪で開催された 『安藤忠雄 建築展』 のチケットもスクラップしてありました。

長きに渡り活躍を続ける偉大なる建築家。今秋の展覧会の名は 『安藤忠雄展 挑戦』 まだまだ戦うその姿にエールを送ります!