『一級建築士』の定期講習を受講しました。他に取得した『設備設計一級建築士』も丁度、今年が定期講習。それぞれの建築士の講習は兼ねることができず、2日間の受講が必要。
3年毎の受講が義務付けられてるこの講習。建築士が設計・工事監理の実施にあたって、必要となる能力を確実に身につけておくために最新の建築関係法規などを習得する目的で、日中はずっと講習会場に缶詰状態になります。
講習会場は事務所の近くにあって便利ですが、地方で業務をこなす建築士さんは大変です。講習の受講料のみならず、交通費、宿泊費など。実はこの制度、まだ新しく平成20年11月施行。建築士が国家資格となったのは昭和25年。今になってどうして?と思われるかも。
その発端は、早いもので来年で事件から10年経ちますが、世間を騒がせた『構造計算書偽造事件』です。建築費を抑えるため、一級建築士が構造計算を偽造し構造を簡略化、強度が法律基準を下回るホテルやマンションが建ってしまいました。
この事件は建築士をいわゆる「性善説」から『性悪説』を前提に変えた大きな事件です。法律の改正が行われ、定期講習が必須になり、専門分野における一級建築士も生まれました。よって、定期講習においては建築士の根幹となる法律条文についての講義もあります。
≪建築士法第二条の二≫
建築士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、建築物の質の向上に寄与するように、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。要約しますと、建築士は『品位』 『公正』 『誠実』の倫理観を持って業務に携わることが必要ということです。
建築士の職務に誇りを持とう!いつも胸に秘めて業務に取り組んでいますが、あらためて心に刻むことができました。建築士にとっては面倒だといわれる定期講習も、私にとってはよい修行の機会であるようです。