阪神・淡路大震災から20年。5時46分、そのとき私は名古屋にいました。早朝ですが事務所で図面を引いていたのです。当時はパソコンで図面を作成するだけでなく、手書きの図面もまだ残っている時代でした。その図面を夜通し引いていた朝の出来事です。
「大げさな…」と思われるかもしれませんが、鉛筆で描いている線がみるみる曲がって…んっ?眠気のせいではない…地震だぁ!震源からは数百キロも離れているここ名古屋。8階建てビルの2階でも大きく長い揺れでした。
ラジオから刻々と流れてくる被害状況・・・事務所にあったテレビには驚く映像が…「マニュアル通りの壊れ方だ…」勤めていた事務所の社長の言葉が印象深い。
≪中間層の崩壊≫
高層ビルは上層と下層が揺れのリズムが異なり、例えば10建ての場合、5~6階が崩壊しやすい。
≪地上階の崩壊≫
高層ビルの1階は店舗や駐車場で、壁が少ない場合が多々あります。その1階が崩壊しやすい。
読者の皆さまを怖がらせてもいけないのですが、ビルの崩壊を目の当たりにし私は怖くなりました。しかしながら、図面を引きながら体験した揺れが、安全性という建築の使命感も教えてくれました。1.17は私にとっても忘れられない日付です。