プロ野球、阪神タイガースの金本選手が引退した。記録の中でも、その試合すべての回に出場し続ける連続フルイニング1492試合は賞賛に値します。その金本選手、引退を発表後に行われた記者会見で、現役生活を振り返り次の言葉がありました。
『7、8割がしんどいことで、2、3割の喜び、充実感しかなかった。そんな野球人生だった』会見の数ある言葉の中で最も重い言葉に感じました。この言葉は「野球人生」のみならず「人の人生」そのものかと思うからです。
物事を『振り子』に例える場合があります。公園のブランコに例えてもよいでしょう。引けば引くほど大きく振ることができます。スポーツの世界でも、私たちの仕事でも子供の勉強だって同じ原理かと思います。
振り子の重りを引くのはつらい。金本選手の言葉によると、7、8割を占めるかもしれない。しかし、それをしないと2、3割の喜びさえ得られない。逃げてしまったり、怠けてしまってその振り子を小さくしか引かないのであれば振りも小さい。
私も20代、30代と苦しいことも多かったが、思いっきり振り子を引いたお陰で今があると思う。前に会社勤めをしていた時に同僚と、こんな議論をしたことがありました。『人生は楽しいことが多い?苦しいことが多い?』
その同僚は私が尊敬できる人格者だったのですが、『半々かな…でも、どちらかというと苦が多い』まさしく私と同じ考えを持っていました。私はこう考えます…振り子は戻ってくる振幅が、だんだんと小さくなる。そして最後には止まる。空気抵抗や重力の関係で。
引いた幅(苦労すること)よりも、戻ってくる幅(楽しいこと)のほうが少~しだけ小さい。だから『どちらかというと苦が多い』と考えます。
苦労から始めなきゃ、楽しいことは来ない!だから水戸黄門様の主題歌、あれは間違っている!『♪人生 苦ありゃ、楽もあるさ』これが本当の順序だと思う。人間生まれてくるときも苦しみが先なんだから…
ところで『人生は楽しいことが多い?苦しいことが多い?』この類の話しを妻にすると、いつも答えはこうだ。
『考えたことがない!』
確かに結婚して13年、愚痴を聞いたことが無いし、人の悪口も言わない、弱音も吐かない健康優良児。毎日いろんなことでケラケラ笑っている。朝起きた瞬間から寝るまで365日元気な人だ。
すべてがプラス思考で、こんなタイプの人もいること、そばにいることがなんと心強いことか。最後はオノロケで終わってしまって…恐縮です(汗)