【#37】未来
今回は名古屋駅近くの、ささしまエリアにある2階建てオフィスです。この建物は高架下に建っており、真上を新幹線が通り、真横を在来線が通るという驚きの立地です。
高架下の地中には高架の基礎や電線などが埋設されており、基礎を構築するためのスペースに限りがあります。更に重量にも制限があるため、出来るだけ軽量化が求められます。それらの点からこのオフィスは、鉄骨やコンクリートに比べ軽量な木造に着目し建てられています。
強度的には高性能炭素繊維と、木材のハイブリッド素材からなる新素材を利用することで、従来のスギ集成材の3.5倍の高い剛性(強さ)を実現しているとのことです。最大6mのロングスパンと3mを超える跳ね出しを用いて、2階のオフィス空間を確保しつつ、通路部分の屋根として機能しています。
※構造モデル図はWEBより転載
既存の高架の構造体に新たな負荷をかけられないため、高架の構造体を内部に取り込むことによってうまく避けています。その為、高架のコンクリート製の柱梁が、オフィス内を貫いていてとても興味深い。
前回のブログもそうでしたが、最近は木材の需要がとても多いように感じます。
持続可能な社会の実現に向けて、二酸化炭素の排出抑制などの自然環境への配慮や、資材の軽量化による工期短縮や、再利用によるライフサイクルコストの低減など、時代が求めているのかもしれません。日本にとって昔から馴染みの深い「木造」は、どんどんと進化を遂げて未来に向かっているように思えます。